睡眠時無呼吸症候群について
睡眠時無呼吸症候群は眠っている間に呼吸が止まる病気です。
10秒以上の気道の空気の流れが止まった状態を無呼吸とし、無呼吸が一晩(7時間)に30回以上、もしくは1時間あたり5回以上あれば、睡眠時無呼吸です。
朝起きても疲れが残っている、頭痛がする、昼間の眠気などの症状があります。
寝ている間の無呼吸が、高血圧症や糖尿病、メタボリックシンドロームの発症に関与し、重症例では心血管障害や脳血管障害の危険因子となり、日常生活に様々な影響を及ぼします。
耳鼻咽喉科や睡眠外来などで、まずは受診しましょう
自覚症状がある場合や、ご家族や友人・同僚などからいびきや居眠り、寝ている間の無呼吸を指摘されたら「睡眠時無呼吸症候群」を疑ってみましょう。
かかりつけ医や、耳鼻咽喉科、呼吸器科、睡眠外来のある神経内科などで受診します。
検査診断後、マウスピースが必要とされた場合に医科からの紹介によって歯科でマウスピースを作製することになります。
睡眠時無呼吸症候群のマウスピース療法について
睡眠時無呼吸症候群の治療で使うマウスピース(スリープスプリント)は寝ているときに使う特殊なマウスピースで、下顎を上顎よりも前方に出すように固定させ、気道を広く保ちます。
いびきをかく方や軽症~中等症までの睡眠時無呼吸症候群に対して効果が見られやすく、「健康保険が適用」になります。
マウスピースの作製
マウスピースの作製については、耳鼻咽喉科等の診療情報提供書、マウスピース作製依頼書が必要です。
健康保険適用、3割負担の方でおよそ1万円程度。
依頼書等が無い場合は自費診療となり5万円程度になります。
作製には2~3回の来院が必要になります。
マウスピースに慣れましょう
個人の歯型に合わせて製作します。顎の痛みや違和感がありますが数ヶ月の使用で慣れてきます。総入れ歯やひどい顎関節症の方は使用できません。
マウスピースの保管方法
マウスピースの使用後は研磨剤を含まない液体の歯みがき剤等を使用して歯ブラシで磨きます。プラスチック製なので熱湯は使用できません。外している間は水に入れて乾燥を防ぐようにしましょう。入れ歯用洗浄剤の使用も効果的です。
睡眠時無呼吸症候群セルフチェック
№ | 項目 | 判定 |
1 | 毎晩、大きないびきをかく | □ |
2 | 「睡眠中に呼吸が止まっていた」と指摘されたことがある | □ |
3 | 昼間、眠くなる、うとうとしてしまう、居眠り運転しそうになった | □ |
4 | 朝起きたとき、疲れが残っている。頭が重い、頭痛がある | □ |
5 | 若い頃より体重が増え、顔つきが変わったと言われる | □ |
6 | メタボリックシンドロームである | □ |
1つでもチェックが付くようであれば、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
特に「いびき」は睡眠時無呼吸症候群の1つのサインです。
良い眠りを得て日常生活を快適に送るためにも、まずは検査で自身の状態を把握することが大切です。