誤嚥性肺炎

こんにちは。君津ピースデンタルクリニックです。
「誤嚥性肺炎」という言葉を聞いたことはありますか?
今回は高齢の方に多い「誤嚥性肺炎」とその予防についてお話ししたいと思います。

誤嚥性肺炎は高齢者に身近な疾患

厚労省の人口動態統計(2019年度)では、年間死者は4万人以上であり、日本人の死亡原因の第6位です。
現在の傾向が続けば死亡者数の減少は見込めず、2030年における死亡者はおよそ13万人程度に上ると予測されています。
[出典:東京都健康安全研究センター

誤嚥性肺炎

誤嚥性肺炎は、食道から胃へ向かうはずの食べ物や唾液などが気道内に入ってしまうことで引き起こされる肺炎です。
高齢になると喉の筋肉が衰え、食べ物を噛む力や飲み込む力(嚥下機能)が低下し、誤嚥を起こしやすくなります。
誤嚥性肺炎の主な原因は「肺炎球菌」で、その他にもクレプシェラ菌や緑膿菌、MRSA(黄色ブドウ球菌)などがあり、食べ物に含まれる原因菌が気道から肺へ侵入することで発症します。

誤嚥性肺炎の予防

誤嚥性肺炎を予防するには、「口腔ケア」を続けることが重要です。
「口腔ケア」には、口腔内を清潔に保つだけでなく、口腔内の働きを良くして「嚥下機能」を向上させるためのリハビリも含まれます。

口腔ケア

お口をきれいにするケア=「器質的口腔ケア」と、お口の機能を高めるケア=「機能的口腔ケア」があります。

  • 器質的口腔ケア
    器質的口腔ケアは「お口の中をお掃除して清潔に保つ」ためのケアです。
    歯ぐきや舌、頬の内側などの汚れにも細菌が多く繁殖しているため、お口の中にある肺炎の原因菌を減らせます。
  • 機能的口腔ケア
    機能的口腔ケアは「お口の機能を回復させ、維持・向上する」ためのケアです。
    食べ物や唾液がうまく飲み込めるようになる他、円滑なコミュニケーションにもつながります。
    よく噛み、よく話すことで脳に刺激を送り、気持ちの安定にも良い効果が期待できます。
    機能的口腔ケアの代表例が「嚥下体操」と「パタカラ体操」です。

嚥下体操

深呼吸をして、首を前後左右にゆっくり動かして肩を上げ下げし、回します。
背伸びをして口を大きく開けたら舌を出し、咳払いをします。
この体操には首や肩周辺の筋肉をストレッチして、体の緊張を緩め動きやすくする効果があります。

パタカラ体操

「発声練習」も機能的口腔ケアの一つ。「パ」「タ」「カ」「ラ」と発音することで、唇や舌を動かし、唇や舌の動きを目的別にトレーニングします。

まとめ

食べるとむせたり、うまく飲み込めないといった症状がある方は、嚥下障害の可能性があります。嚥下に問題があると、誤嚥性肺炎のリスクが高くなるため注意が必要です。
歯医者さんへの通院が難しいご高齢のご家族がいらっしゃる場合は、訪問歯科診療を受けてみてはいかがでしょうか。
当院では歯科医院への通院が困難な方々のために、ご自宅や施設・病院へ直接訪問して歯科診療を行なっています。
お問い合わせは、フリーコール0120-76-4182まで(祝日を除く月〜金、9時〜20時)。